この記事ではプリンターの印刷スピードについてのお話をしていきます。
プリンターを使う人からすると、印刷がもたついて遅いとイライラしますよね。
メーカーさんも印刷スピードについてカタログや、ホームページなどに記述しています。
知りたい方は気になるプリンター型番で印刷スピードの項目を確認してみてください。
ただし、プリンター全体の平均的なスピードがわからないと、比べようがないのでこの記事を参考にしてみてください。
印刷のスピードの種類
ちなみに印刷のスピードにも種類があります。
・1分間あたりにカラー文書を印刷できる枚数(ipm)
・1分間あたりにモノクロ文書を印刷できる枚数(ipm)
・印刷指示をかけた時に1枚目の印刷が終わるまでの時間 ファーストプリント(秒)
・L版写真の1枚印刷が完了するまでの時間(秒)
印刷スピードはわかりやすく、とにかく早い方がいいですが、意外にみなさんが知らなくて盲点だったりするのがファーストプリントの話。
電源を付けてからの1枚目の印刷を始めてから、終わるまでの時間です。
プリンターのあるあるでよく言われるのが、「1枚目の印刷が遅すぎてイライラする」ことです。
家庭で使われる方は基本このファーストプリントが早い方がオススメです。
家庭の使用用途というのは1枚コピーしたり、Webページを10数枚印刷する程度ぐらいで、電源をつけたり消したりが多くなると思います。そういう使い方の場合、プリントまでの準備が早い方がストレスなく、スムーズに印刷をかけられるのです。
1枚目の印刷が遅い理由
1枚目の印刷が遅いというのには理由があります。
電源をつけてから印刷できるまでにプリンターには準備が必要となり、目詰まり防止のためのクリーニングだったり、キャッピングされているヘッドの準備だったりと、プリンター起動時には何かとすることがあるのです。
その準備に関して早い遅いの違いがプリンターには存在します。
このページは特にファーストプリントの話をメインに記事にしています。
2020年最新版の量販店に販売のあるキヤノン、エプソン、ブラザーの家庭向けプリンターの公表ている数値を全て調べました。
メーカーが公表しているファーストプリントの数値
メーカーが公表している数値を載せています。
ただし、ファーストプリントの公表は家庭用のプリンターが全て公表しているわけではありません。
調査をしていない機種も多いです。
公表している範囲で比べてみましょう。
キヤノン
PIXUSシリーズ
プリンター名 | モノクロ/カラー ファーストプリント(秒) | モノクロ文書スピード(ipm) | カラー文書スピード(ipm) | L版写真スピード(秒) |
XK70 | 公表なし | 15ipm | 10ipm | 14秒 |
XK60 | 公表なし | 15ipm | 10ipm | 14秒 |
TS8330 | 公表なし | 15ipm | 10ipm | 18秒 |
TS6330 | 公表なし | 15ipm | 10ipm | 18秒 |
TS7330 | 公表なし | 15ipm | 10ipm | 18秒 |
TS5330 | 公表なし | 13ipm | 6.8ipm | 36秒 |
TS3130S | 公表なし | 7.7ipm | 4ipm | 52秒 |
TS203 | 公表なし | 7.7ipm | 4ipm | 52秒 |
GIGA TANKシリーズ
プリンター名 | モノクロ/カラー ファーストプリント(秒) | モノクロ文書スピード(ipm) | カラー文書スピード(ipm) | L版写真スピード(秒) |
G7030 | 9.0秒/14.0秒 | 13ipm | 6.8ipm | 37秒 |
G6030 | 9.0秒/14.0秒 | 13ipm | 6.8ipm | 37秒 |
G5030 | 9.0秒/14.0秒 | 13ipm | 6.8ipm | 37秒 |
G3310 | 11.0秒/17.0秒 | 8.8ipm | 5ipm | 51秒 |
G1310 | 13.0秒/19.0秒 | 8.8ipm | 5ipm | 51秒 |
GM4030 | 9.0秒/14.0秒 | 13ipm | 6.8ipm | - |
GM2030 | 9.0秒/14.0秒 | 13ipm | 6.8ipm | - |
ビジネスシリーズ
プリンター名 | モノクロ/カラー ファーストプリント(秒) | モノクロ文書スピード(ipm) | カラー文書スピード(ipm) | L版写真スピード(秒) |
TR9530 | 8.0秒/10.0秒 | 15ipm | 10ipm | 18秒 |
TR8530 | 8.0秒/10.0秒 | 15ipm | 10ipm | 31秒 |
TR7530 | 8.0秒/10.0秒 | 15ipm | 10ipm | 31秒 |
TR4530 | 11.0秒/19.0秒 | 8.8ipm | 4.4ipm | 52秒 |
TR703 | 8.0秒/10.0秒 | 15ipm | 10ipm | 18秒 |
シングルプリンター シリーズ
プリンター名 | モノクロ/カラー ファーストプリント(秒) | モノクロ文書スピード(ipm) | カラー文書スピード(ipm) | L版写真スピード(秒) |
iP110 | 公表なし | 9ipm | 5.8ipm | 44秒 |
iP8730 | 公表なし | 14.5ipm | 10.4ipm | 30秒 |
iX6830 | 公表なし | 14.5ipm | 10.4ipm | 30秒 |
エプソン
エコタンクシリーズ
プリンター名 | モノクロ/カラー ファーストプリント(秒) | モノクロ文書スピード(ipm) | カラー文書スピード(ipm) | L版写真スピード(秒) |
EW-M970T | 12.0秒/14.0秒 | 13ipm | 10ipm | 24秒 |
EW-M770T/TW | 16.0秒/17.0秒 | 13ipm | 10ipm | 24秒 |
EW-M670T/TW | 9.0秒/15.0秒 | 15ipm | 8ipm | 75秒 |
EW-M630T/TW | 9.0秒/15.0秒 | 15ipm | 8ipm | 75秒 |
EW-M752T | 16.5秒/18.5秒 | 12ipm | 9ipm | 25秒 |
EP-M552T | 20.0秒/20.0秒 | 6ipm | 6ipm | 33秒 |
PX-S270T | 6.0秒/ - | 20ipm | - | - |
PX-S170T/UT | 8.0秒/ - | 15ipm | - | - |
colorioシリーズ
プリンター名 | モノクロ/カラー ファーストプリント(秒) | モノクロ文書スピード(ipm) | カラー文書スピード(ipm) | L版写真スピード(秒) |
EP-982A3 | 公表なし | 公表なし | 公表なし | 13秒 |
EP-882A | 公表なし | 公表なし | 公表なし | 13秒 |
EP-812A | 公表なし | 公表なし | 公表なし | 13秒 |
EP-712A | 公表なし | 公表なし | 公表なし | 17秒 |
EW-452A | 公表なし | 公表なし | 公表なし | 70秒 |
EW-052A | 公表なし | 公表なし | 公表なし | 74秒 |
シングルプリンター シリーズ
プリンター名 | モノクロ/カラー ファーストプリント(秒) | モノクロ文書スピード(ipm) | カラー文書スピード(ipm) | L版写真スピード(秒) |
EP-306 | 公表なし | 公表なし | 公表なし | 14秒 |
PX-105 | 公表なし | 公表なし | 公表なし | 74秒 |
PF-71 | 公表なし | 公表なし | 公表なし | 30秒 |
ブラザー
First Tankシリーズ
プリンター名 | モノクロ/カラー ファーストプリント(秒) | モノクロ文書スピード(ipm) | カラー文書スピード(ipm) | L版写真スピード(秒) |
DCP-J988N | 8.0秒/8.5秒 | 12ipm | 10ipm | 14秒 |
MFC-J1500N | 8.0秒/8.5秒 | 12ipm | 10ipm | 14秒 |
MFC-J1605N | 8.0秒/8.5秒 | 12ipm | 10ipm | 14秒 |
Home シリーズ
プリンター名 | モノクロ/カラー ファーストプリント(秒) | モノクロ文書スピード(ipm) | カラー文書スピード(ipm) | L版写真スピード(秒) |
DCP-J982N | 公表なし | 12ipm | 10ipm | 14秒 |
DCP-J582N | 公表なし | 12ipm | 6ipm | 34秒 |
FAX/電話子機付き シリーズ
プリンター名 | モノクロ/カラー ファーストプリント(秒) | モノクロ文書スピード(ipm) | カラー文書スピード(ipm) | L版写真スピード(秒) |
MFC-J998DN/DWN | 公表なし | 12ipm | 10ipm | 14秒 |
MFC-J738DN/DWN | 公表なし | 12ipm | 6ipm | 34秒 |
MFC-J903N | 8.0秒/8.5秒 | 12ipm | 10ipm | 14秒 |
PIXUSシリーズやcollorioシリーズの家庭用プリンターは意外に公表しておらず、大容量タンク式プリンターやビジネスプリンターは公表している。
この数値を見る限り、ファーストプリントが早いモデルを選ぼうとするならば、大容量タンク式プリンターよりはビジネスプリンターがオススメということになる。
印刷方式による速度の違い
ここで、印刷方式によってファーストプリントの値が変わるのかをご案内する。
インクジェットプリンターの印刷の方式として「ピエゾ方式」と「サーマル方式」があります。
ここではこの2つの方式の説明はしませんが、昔から言われている「サーマル方式」の方が印刷までの準備が遅いという現象がありました。
サーマル方式を採用しているのは現状ではキヤノンです。なのでキヤノンは1枚目が遅いメーカーでしたが、現状では機種によって変わるので気にする必要はないと思うが、気になる様であればファースプリントの値が早いモデルを選ぶことをお勧めします。
ちなみにエプソンとブラザーはピエゾ方式です。
実際に印刷して計測してきました
家庭用のプリンターのファーストプリントは表記がないモデルが多いので、実際に家電量販店に行って印刷し、計測してきました。
今回の対象機種はキヤノンTS8330、エプソンEP-882A、ブラザーDCP-J982Nの3機種です。
パソコンは繋げなかったのでコピーを行いました。
電源が切れている状態から、1枚目のコピーの計測です。
スタートボタンを押してから計測を開始させ、コピーが終了してから計測を止めた時間です。
コピーの原本は同じものを使用、設定は普通紙、品質は標準という全てのプリンターで同条件で行いました。
キヤノン:TS8330
- モノクロコピー 57秒
- カラーコピー 65秒
エプソン:EP-882A
- モノクロコピー 24秒
- カラーコピー 36秒
ブラザー:DCP-J982N
- モノクロコピー 14秒
- カラーコピー 17秒
この計測の差を見るとかなりの差があるように思えます。
1番早かったのはブラザーのDCP-J982Nでカラー、モノクロ共に10秒台でのコピーでした。素晴らしい!
キヤノンTS8330は相当遅かったです。印刷が仕上がって出てくるまでに約1分かかります。ブラザーとのスピード差が大き過ぎますね。中身の構造まではわかりませんがサーマル方式の問題があるのでしょうか。それともスキャンが遅いのか、とにかくTS8330のファーストプリントは遅すぎでした。
まとめ
今回は実際に印刷してみた計測は家庭用のモデルしかできませんでしたが、実際にビジネス機などで印刷をしてみたいと思いました。
本当に公表している数値と同じになるのかどうかや、家庭用のモデルでも違う種類のプリンターならもっと早いのかなど、気になることが多いです。
今後、機会がありましたら計測して記事にしたいと思います。
ファーストプリントの数値を公表していない家庭用プリンターは公表しているプリンターよりも遅いのではないかと私は考えます。
家庭用のプリンターを検討中で使い方が、「電源をON、OFFが多く大量印刷が少ない方」はブラザーや、エプソンのプリンターがオススメになりますね。