プリンターの寿命は短いとよく聞きます。平均のプリンター寿命は5〜6年くらいと言われていますが、この数値が長いと感じるか短いと感じるかは人によって違うと思います。
私が今現在持っている中の最も古いプリンターはキヤノンのMP600という機種で2006年に発売されたモデルです。もう10年以上前のプリンターです。
さすがに起動速度もかなり遅かったり、印字もクリーニングをしないと擦れてしまう状況ですが、現役で頑張ってくれているプリンターです。
なので、平均寿命が5、6年というのは私にとって短い印象です。
自分で選んだプリンターなのでせっかくなら長く使ってあげたいですよね。
今ではインク代が桁違いに安いプリンターも発売されていますので、そんな場合尚更です。長く使えば使うほど得していくわけですので丁寧に使って長持ちさせてあげることはとても大事なことになる訳です。
このページでは家庭用インクジェットプリンターの【長持ちさせる秘訣】や【メンテナンスの仕方】などを記述していきます。
目次
故障の原因
まずは主な故障の原因になります。
起こりうる故障の原因が分かっていると対策を打っておけますので、知っておくことはとても重要になります。
主にプリンターでの故障の原因になりうる事象は「インクの目詰まり」「紙詰まり」「廃インク吸収パッドエラー」です。
もちろん、突発的な原因不明のエラーなどもありますが、この3つのエラーは故障の原因になりやすいと言えます。
一つずつ見ていきましょう!
インク目詰まり
インクの吹き出し部分であるヘッドには細かい穴が空いている。その穴にインクが詰まってしまってインクそのものが出なかったり、適正な量を噴出することが出来なくなってしまう。
以下が主な原因です。
原因
- 印刷の頻度が極端に少なく半年や1年に1回だと、最後に印刷でヘッドに付いていたインクが乾いてしまい目詰まりになります。
- 陽が当たる場所や高温な場所に置く事によりプリンター本体の温度が上昇して、ヘッド部分の乾燥になってしまいます。
- 互換インクを使用することの目詰まり。互換インクは純正メーカーのインク粒子とは違う為、乾きやすく目詰まりが起きやすいと言われています。
紙詰まりエラー
紙詰まりエラーを繰り返してしまうと内部の部品が壊れて全く紙の搬送が行われなくなる。なので紙詰まりエラーを起こさないようにすることも大事。
紙詰まりエラーの主な原因は以下になります。
原因
- 紙詰まりエラーは印刷用紙の原因が多いです。裏紙、折れ目、反り、破れ、吸湿している用紙はプリンター本体の内部で部品に干渉してしまい紙詰まりエラーを起こします。
- ローラーが原因なこともあります。長年プリンターを使用していくと内部の用紙搬送ローラーにゴミが付着したり、劣化してしまい用紙の搬送がうまく行かなくなる事もあります。
廃インク吸収パッドエラー
プリンターにはインクのカス(廃インク)を捨てるゴミ箱(廃インク吸収パッド)が用意されている。クリンーニング時や印刷時にそのゴミ箱に捨てる形になり、ゴミ箱がいっぱいになると交換が必要になってくる。ほとんどの機種はゴミ箱交換はメーカーに修理としてだす必要が出てくる。自分で交換できる機種もある。
原因
- プリンターヘッドのクリーニング:ユーザーが自分で行うセルフクリーニングや印刷時などに出す廃インクもゴミ箱にインクが溜まってしまう。特にセルフクリンーニングは大量のインクを使う作業に加えて、廃インクを大量に出すので後も箱に溜まりやすいので、なるべく避けた方が良い。
- フチなし印刷時の廃インク:フチなしの写真印刷では用紙サイズいっぱいにインクを塗布するので紙のサイズよりはみ出して印刷をかけます。用紙より外れてインクを塗布した部分は廃インクの対象になります。
壊れないようにする為の対応策
上述した故障の原因の対応策として、以下の手順を行なっていくのがプリンターの寿命を伸ばすことにつながる。
インク詰まりの対応策
対応策
- プリンターヘッドの乾燥を防ぐ為にも、定期的な印刷をしてあげることが有効となってきます。乾燥する前にインクを吹き出して潤わせてあげるイメージです。大体、2週間から月に1度のペースで印刷してあげるといいでしょう。
- 目詰まりが発生してしまったらすぐにヘッドクリーニングを行うのは当たり前ですが、状態がいい場合でも、たまにヘッドクリーニングをかけてあげるのも有効でしょう。ただし、インクを大量に使ってしまうのでインク代がかかるのと、廃インクも溜まってしまうのでやりすぎは厳禁。半年や1年に1回程度で大丈夫です。
- プリンターヘッドの乾燥を防ぐ為にも、陽が当たる場所や高温になってしまう場所などは避ける。
- 壊れるリスクが高くなる互換インクはなるべく使わないようにする。純正のインクは高くて買いたくなくなりますが、壊れるリスクの観点から言うと、安いという理由だけで互換インクは買わない方が得策でしょう。
紙詰まりエラーの対応策
対応策
- 裏紙だったり、折れ目、反りがある、湿気などで吸湿している、破れなどがある印刷用紙を使わない
- 印刷用紙を給紙トレイなどに入れる前には用紙をさばいてあげる。これをやっておくと紙同士の貼りつきを抑えられる。
- 用紙のセットもプリンターのマニュアルに沿って正確に行う。ガイドに合わせないで使ってる方がまれにいるので今一度用紙のセット方法をみておくのもいいでしょう。
- 市販されているクリーニングシートで搬送経路の掃除をしてあげたり、給紙ゴムローラーを濡れた布などで拭き取ってあげて掃除を行う。
廃インク吸収パッドエラーの対応策
対応策
- 目詰まりが起きてしまってる場合はクリーニングは必須ですが、高い頻度でセルフクリーニングは行わない方がいいでしょう。
- 写真やコピーなどのフチなし印刷をしないようにする。これでフチありの印刷であれば用紙からはみ出したインクは全くないので廃インク吸収パッドにインクが溜まることがなくなる。
- 今では廃インク吸収パッドを交換できるプリンターが販売されているので、ユーザーが自身で交換できる機種を買うというのもアリです。
実はダメなこと
プリンターに良いと勝手に思ってやっている行為って結構あるかと思います。
意外としてはいけないことがあるので、頭に入れて置いた方がいいでしょう。
この行為はNG!
・しばらく使わないから電源のコンセントを抜いておくことはNG。プリンターには基本的に時間の概念がありますので、電源をしばらく切っておくと初期化されてしまう。さらにプリンターを守る処理として自動クリーニングが走る機種もありますから、それを行わなくなってしまうということは目詰まりのリスクが上がるということになります。
・しばらく使わないからインクカートリッジを抜いておく事ももちろんNG。カートリッジを外してしまうと受け皿が空気に触れてしまう状態になりますから、ヘッド以前に内部が乾いてしまいます。しばらく使わなくてもインクカートリッジは挿したままにしておいてください。
ビジネスプリンターと耐久枚数の話
プリンターには耐久枚数と言う指標が明記されている機種もあります。基本的にはビジネスプリンターになります。
どうしても経年劣化が生じるプリンターですので壊れてしまう箇所は年数とともにリスクが増えていくと思ってください。その中でビジネスプリンターは給紙ローラーや搬送経路が家庭用プリンターよりも強いものになっていますので本体の寿命が長いと言うことになります。家庭用はコンパクトなので、用紙へのストレス、搬送経路の難しさがありますが、ビジネスプリンターは筐体を大きくして搬送経路の確保を行い、スムーズで紙詰まりしにくい作りとなっています。
とにかく本体寿命が長いプリンターが欲しい場合はビジネスプリンーを検討してみるのも良いかもしれません。
リンク ー ビジネスプリンター
まとめ
プリンターの壊れる原因として「インクの目詰まり」「紙詰まりエラー」「廃インク吸収パッドエラー」などが良くあることがわかりました。
その原因に対する対応策として、定期的な印刷や、用紙をいい状態のものを使うことなど色々ありました。全てはできないにしろ、プリンターを気にかけた使い方をしてあげることが必要だと思います。
プリンターの突発的で原因不明なエラーに対しては、講じる策はありません。電源が急に入らなくなったとか、内部のギミックが壊れて動かないとか、色々ありますが、とにかく可動部分が多く、ギミックが剥き出しで動作する機械ですので、繊細だと言うことを意識して使っていくことが大事だと思います。
是非、この記事を参考にしてプリンターの寿命を伸ばしていただき、快適なプリンターライフを過ごしてくださいね。
最後にメンテナンス、対応策のまとめたリストになります。
メンテナンス・対応策のリスト
- 2週間に1度のペースで定期的に印刷
- 半年や1年に1回ヘッドクリーニングをかける
- 陽が当たる場所は避ける
- 互換インクは使わない
- 状態の悪い用紙は使わない
- 用紙を捌いて使う
- 用紙のセットを正確に行う
- 搬送経路、給紙ローラーの清掃
- フチなし印刷はあまりしない
- 廃インクパッド交換できるプリンターを買う